36、芥子療法

36、芥子療法

(一)効能

肺炎、咳(肋膜炎、喉頭結核、感冒等)、神経痛、肩凝、中耳炎、虫垂炎、ヒステリー、疲労快復、咽喉痛等。

(二)芥子泥

作り方

適当の容器に、普通100gの芥子に対し、同容量の湯を加えて充分攪拌する。
子供の場合は芥子とウドン粉とを半々に(幼児の場合はウドン粉の方を多く)混じて用い、ヒリヒリする痛みを薄らげる。

湯の温度

最も効能を現す湯の温度は、摂氏55度であって、70度になれば効力を滅じ、100度以上、又は35度以下では効果がない。

貼り方

手拭または晒布に、約一分(*約3.03mm)の厚さに芥子泥を塗り、患部の皮膚にガーゼを2枚置いて、その上から泥布を貼り、その上を油紙で覆う。
芥子泥の形状は貼る場所に依って工夫すればよい。

発赤検視

2、3分の後、時々芥子泥布の端をめくって、皮膚の発赤の度合いを検視し、発赤したら泥布を直ちに取り去ること。

5分以内で発赤するのは、効果の良く現れた方で、症状も軽いことを示すが、20分経ってもなおかつ発赤しないもの、及び発赤しても直ちに退色消失するものほど重症に近いのである。

20分経っても発赤せぬ場合は一旦中止して、皮膚にスイマグの薄い溶液を塗布し、4、50分の後再び芥子泥を施すこと。
肺炎等の場合20分で発赤しなければ、間を40分あけて何度でもこの方法を繰り返して発赤するまでやり、途中で決して諦めてはならぬ。

注意

一、回数は普通1日1回であるが、時には2回施すこともある。

一、発赤せぬからといって、決して20分間以上貼付せぬこと。

一、一度使用した芥子泥布は捨てずに、これを火の上にて少し温め、なお4、5回用いても差支えない。

一、発赤の消失した後芥子泥の為に皮膚が荒れた場合は、スイマグの薄い溶液を塗布すればよい。

一、芥子は新しい日本芥子がよいのだが、薬用芥子でもよい。
臭の抜けたものは効かないが、保存するには粒芥子の方がよい。
臭の弱い芥子は子供にもウドン粉なしで用いる。

一、粒芥子の場合は擂鉢に入れて湯をかくれる位に注ぎ20分以上置き、擂潰して用いるが、貼る時に少し温めてあてる。

一、古い芥子の時は番茶の冷えたのか、又は大根卸しの絞汁を入れてかくとよく立つものである。

一、脚湯を併用する時は、夏は脚湯の後に、多は脚湯の前に芥子泥をやるのが有効である。

一、芥子のない場合は、胡椒、唐辛子、生姜、ワサビ等を用いる。

一、また麻のハンケチで以て、摩擦発赤させてもよろしい。

(三)芥子湿布法

湿布を施すべき部位の皮膚に、日本紙を敷く。
その上に、一合の熱い湯に芥子を茶匙1杯位を入れて、よく攪き混ぜた芥子湯に浸して手拭を畳んで載せ、また少し厚い紙を重ね、更に乾いたタオルで覆って、寝具が濡れないようにする。
そして3分ないし5分の後、皮膚に発赤が現れたら、直ちに湿布を取り去り、次にタオルの温湿布を約30分間施す。
その間タオルの温度が下がったならば、取り換えることを忘れてはならぬ。

この方法は、特に幼児の如き皮膚の弱い者に適する。

(四)芥子浴

温冷浴、足の温冷浴、脚湯等の場合に芥子を少量混和して用いる。
又、幼児の人事不省に陥入った場合、盥に芥子湯を作り、これに全身を浸けて、発赤させると、蘇生する。
この場合、湯一升について、芥子大匙1杯位とし、湯の温度は、摂氏43度位がよい。

注意

(二)、(三)の目的は、これによって体表面に発赤せしめて、内部鬱血の逸散をはかる。
つまり細菌の糧食を体表面に奪い取って、菌を餓死せしめる方法であって、多く咽喉部、胸部、背筋(背中に悪寒がする時や脊椎カリエス、脊柱打撲等の時は細長く脊柱上に)等に応用される。

(四)の芥子浴は、癇性、いわゆる気の立ったいらつき、ヒステリー、月経痛等の緩和に有効である。

西医学健康原理実践宝典 西勝造著 p182-185

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