西医学と合気道 植芝盛平

西医学と合気道 
合気道主
植芝盛平

今から過去32、3年のころ、健康法を教える偉人が出て来たということを聞かされた。それは慶応の青木博士であった。青木博士から「今晩は西先生の健康法の会がありますからお出で下さい」とご案内をいただいた。私も自分の門人の青木博士のことであるから、心よくお招きに応じた。そこで初めて西先生の健康法についてお話を伺ったのである。

その折に西先生は、三角とか丸とか四角とかによって、この体内の血液を清浄にし、はじめて立派な肉体に造っていく、病気の起こらないように体内の邪気を追い払い血を清め、もって立派な人間を造り上げていくのである、というお話しをされた。

それを聞いた私は、西先生のお話が私の考えていた天の武産合気とよく似通っているのに気づいた。西先生のは丸とか四角とかいう固体の話であるが、私のは気体と、より澄んだ気魄、さらに進んだ霊気によるというのである。霊の気の動きによって一歩進んだ、自己を清めていこうというのである。自分に与えられた目に見えざる息によって、自分自身を清めていこうというのが私の合気道である。

×

人は天の息と、地の息とを各々いただいて、自分の息となっている。息によって自分を守り、自己の心の洗濯をし、一人一人が心の立て直しをしていくのである。そして大宇宙の造り主たる御魂の動きを自分自身にいただき、自分は自分の心によって身体を丈夫にし、同時に空の気と真空の気を結び合って自分の心(みたま)にくい入り、科化学しつつ始終みそぎにより日々これを業に生み出し、同時に営みを生み出すことを、日常の合気の上に結び、宇宙楽土の建国に進むようにせねばならぬ。

これが天の武産合気である。

×

西先生の教えの丸、三角、四角を私は「もちろ」と呼んでいる。このもちろの動きにより、身体を丈夫にし精神の洗濯をし、自分の心を立て直し、争いや戦いのない世界をつくり上げねばならない。というのは、世界の造り主は、このような争いごとや戦争の嫌いなお方であり、それにかなった麗しい世界をつくり上げるのが合気道である。

一家を和合し、丈夫にし、邪気を払い、国も世界も1つのように打ち揃って、和合して行くのは西先生のお話の通りである。

×

西先生は固体の世界、すなわち、国は1人の巨人であるから、理想の国を建設されるという、そのことに私は心を奪われ、惹かされた。それ以来ずっと暇あるごとに先生のお話を承ることにしていた。ただ残念なことに私は多忙なため、そのお話を十分におこない得ることができなかった。

けれども、これはどうしても西医学の者一同がおこなって盛んになることを願い、ひいては、西先生を本当にこの世の恩人と尊び、先生の偉大なる偉業を、弥栄に栄えしめて合気の道と和合して、一家族のごとく今後も汚れなき宇宙に、麗しき楽土建設の営みに向かって前進したいと思っている。

×

合気は宇宙を道場とし自分は腹中に宇宙の営みを胎臓し、または宇宙のひもろぎとなり、体内に滾る血液の動き、言霊(ことたま)の水火(いき)によって世界を浄める。これが宇宙科学の根本である。これを「みそぎ」という。

また魂線を浄めることを第一として、自分が自分の心の立て直しの要諦である。

×

合気道は養正の道である。養正の法として錬磨達成をなし戦争のない世界をつくり上げたいと念願している。

×

生命の水火によって、西会の皆様と合気して、西先生が残された道を完成し、日本のため、世界平和のため、偉大な西先生の目的達成のために尽くそうではありませんか。

偉大なる西勝造先生、霊界にて、高き御位に昇られ、ますます、み光の、いやさかを祈ります。

西式健康法 創始者 西勝造 創刊 「西医学」 1962年1月号 第24巻第7号

コメント

タイトルとURLをコピーしました