西医学と家庭生活(第1回) 西勝造

東京 谿茗会(けいめいかい)の座談会記録

主題「西医学と家庭生活」(第1回)

昭和33年4月12日午後2時から4時まで、東京市ヶ谷、西式健康会館において開催された記録で、当日の出席者は、

西式健康法創始者 西勝造先生

谿茗会幹事 石川あぐり様

同       岡田トシ様 

同       加納英代様

同       加来千枝様

同       福島しづ様

同       松本のり子様

同       前田蔦子様

同       若山千鶴子様

司会     西医学編集部

小川 本日は皆さんお忙しいところをおいでくださいましてありがとうございます。いつも谿茗会では例会を開いて西先生のお話を伺っておられるそうですが、今日は特に、皆さんがこれまで西医学健康法をご実行してこられましたところについてのご体験談やらご感想、また西先生にお伺いしたいことなどについて忌憚のないお話し合いを願いたいと思います。

まず岡田さんから谿茗会のことについてちょっと……。

岡田 谿茗会が結成されましてから、今年でちょうど丸5年になります。ついこの間のように思っておりましたが、もう5年の年月が流れてしまいました。その間、西先生よりいろいろご指導をいただき、振り返ってみて、自分ながら人生観が変わってきた。つまり事々に西式の生活が連なっている偉大さが昨今非常に感じられまた生きがいということが、こんなところにあると思うとき大切な一日を健康で喜んで働けるということ、これは私一人の考えでなく皆さんのお考えも同じであろうと思いますが、本当に私ども毎日を心から感謝いたしております。せんだって本日のこういう座談会を開きたいからということが西会のほうからお話がございまして、皆さんご経験がたくさんおありですから、今日はざっくばらんにお話を伺うつもりで出て参ったわけですが、西医学を家庭に普及するには、やはり女子が一番に率先してやらなければならない、それには男子の方よりも女子の方に主に先生のお話を聞いていただきたい。それが家庭に普及するのに一番早い道だということを私いつも申しているのですが、お蔭様で谿茗会も延べ700名近くの会員となりまして、毎回会場はどうかすると椅子も足りないような始末で、役員は隅のほうで立っているという有様で私ども非常にありがたく思っております。

振り返ってみまして、先生のお話を伺っておりますと、それぞれ私たちの理解の仕方に上手下手があるのではないかと思うのです。最初の間は先生のお話を鵜呑みにして、全てそれに夢中となってやっておりますけれども、無論それも結構ですが、そのお話の中から、いかに実行を自分の身につけていくかということです。先生のお話を毎月伺っておりますと、だんだんに考え方が変わってくると思うのです。また過去において耳にタコのできるくらい伺ったことをすっかり忘れていることがあり、やっぱり講義は何度も聞くということが大切だと気付きます。そういう意味合いで、ただ先生のお話を一辺倒にお聞きにならないで、自分の家庭生活の中にそれをいかに取り入れるかということが一番大事ではないかと思うのです。それだけに長年先生の講義を聞いていらっしゃる方は一日の長があるとつくづく思います。

そこで一生懸命先生のお話を伺わせていただいておりますが、できればこれを初歩の方と2段階くらいに分けてお話しくださる時間があればもっと皆さんに理解が早いのではないかと思います。

何分にも一番最初にご指名を受けまして、何から申し上げてよろしいやら見当がつきませんので、だいたいこれだけ申し上げて、西先生のお話を伺い後は先輩の皆さん方のご経験を伺ってから、また思いついたことを申し上げてみたいと思っています。

西先生 ちょっと申しますが、実は7日の日に脳溢血の実際をお見せしますからということを先月の99歳クラブで約束しまして、こちらはちゃんとその準備をしていたのです。ところが、その朝の5時半ごろから面会の人が来たりしてその予定が狂ってしまったのです。

この健康会館に来ましてから、今日は実は99歳クラブである実験をするから12時15分前くらいにお話をやめたいと申したのが11時半です。ところが、11時40分くらいになったら急に人工脳溢血の下地が起きてきたのです。スーウと顔面蒼白となって、あたり一面は見えなくなった。そしてストーンと倒れてしまったのです。後から講習生にそのときどういう状態だったかと聞いたのですがどうも皆ぼうとなってしまって、自分たちも青くなったものだから、よくわからなかったらしいのですね。

前田 びっくりしちゃって……。

西先生 先生が倒れたということは知っているけれども、姿が見えなくなったというのです。(笑声)

岡田 それはそうでしょうね。

西先生 3人の話が全部違うのです。メシア教で実験したときの状態の話とその翌月やりましたときの話と今度のと皆違う。私自身は何もわからないのですから、ほかの人に聞くより仕方がない。だから私は話をするたびに、私のやり方は違っているのではないかと思うのです。宅で実験したときなど、済んでしまってさえ、倒れた場所の便所から起きて、自分の部屋のほうにゆくつもりが、ズンズン先のほうへ行ってしまったらしいのです。そのときのことを家内は言っておりましたが、どうしようにも、こうしようにも、自分もボウとなってしまって手も足も出なかったというものです。その時々で皆聞かされることが違うのです。今度も講習生3人に、どういう状態であったかと聞きましたら、1人は、先生は最初話しておられるうちに口が駄目になった。そしてズルズルズルズルッといったときには、こっちがあがってしまって何もわからなくなったというのです。(笑声)

前田 その場合は、脳溢血の実験をするという予定をなさらないで、そういうふうな状態になったのですか。

西先生 12時に食事をしなければならないので、12時15分前に終わると言った後なんです。

前田 予定の時間より早かったのですね。

西先生 1時間話をして、一度に起こすという計算でやっていたのです。午前8時半に迎えに来る前に6人の訪問客が来たりして……。

前田 だから講習生は脳溢血の実験のことはご存じないわけですね。

西先生 今日はある実験をするということは予め言ったのですが、その実験が、どういう実験であるかということは知らない。そのうちにズルズルズルズルッときちゃって、右手が捻れてしまった。そのとき注射されると永久に右半身不随になってしまって、元に戻らなくなるのです。

岡田 先生はいつも直腸に近いほうでなさるわけですか。

西先生 右のほうは上行結腸ですから、ここで便を止めるということは命がけでしなければならない。

岡田 脳溢血は便停滞の反対に来るのですね。

西先生 左半身不随の7割5分は治らない。右半身不随は7割5分は治るが2割5分は治らないというのは、みんな医者の注射次第です。

しばらくすると、こちらも気が付いてきた。気が付いてみると下に寝ている。そのときの私の目は澄んでいるそうです。「ははァ、ここで来てしまったか、これでは99歳クラブで見せることができなくなった」と思いながら、腕は捻れて固くなっているものですから、それを根元からねじ返して毛管運動をして元通りにし、足のほうも硬直していますから、それも毛管でもって元通りにして、スッと立ち上がったのです。私は12時10分前くらいに99歳クラブのほうから迎えの自動車が来ましたので、すぐにそれに乗って行きましたので、その翌日どうだったと講習生に聞きましたら、「いやァ、どうも先生が蒼白になられたことまでは知っていますが、それから先はもうどうされたか全然わかりませんでした……」

前田 見ているほうの人がね。

西先生 私、本人は知らないのですから、見た人の話を後から聞くのですが、3人が3人ともみな言うことが違うのです。

前田 あらかじめそういうことを承知しておったら、もっとよく研究的に見ていたでしょうね。

西先生 私はそのとき頭に手をやりましてピクピクッとしている範囲から推して、少なくとも80万本の毛細血管が切れているなと思いました。そのとき注射をすれば、本当の右半身不随になってしまうのです。気絶をしているときには、たとえ裸にしておいても風邪は引きません。脳溢血を起こしたり、倒れたりしたときには、必ず吐くか、下へ出すか致します。下へ出ないときは、たいてい吐きます。寝床の中で死んでおったというのが、関西にありましたよ。ところが、後からよく詮議してみましたら、やはり奥さんが隠していたのです。そういうときは必ず寝床の中で吐いているか、下に出している。実はそれは下にも出していたのですが、そういうことは見っともないですから隠していたのです。倒れた瞬間、眼の瞳孔を見ると広がっています。これは絶対安静のときです。それからだんだんと時間が経つに従って体液がアルカリ性になってくる。そうすると眼の瞳孔がだんだんと小さくなって、一番小さくなると今度は痙攣に移る。それからまた酸性となりアルカリ性となり、この間を何回か往復しているうちに最後の中性のところに落ち着く。そのときは口は利けないのです。それは私の体験からしてもわかります。そのとき、「俺は死んだな」と思えば、自己暗示で息が止まってしまうのです。だから寝床の中で死んだとしても、それはあり得るのです。奥さんは谿茗会の会員であろうと、主人のほうが、倒れたのは療法だということを知らなければ、奥さんのほうはすやすや寝ているのですから、主人のほうは吐いて右半身不随となって、そのうち痙攣が起きてきた。そのとき自分は死んだなと思えば、自己暗示で死んでしまう。そうなるとただ単に症状は療法だということは言えなくなる。だから自己暗示ということが、どれほど大切であるかということがおわかりになりましょう。

小川 悪いものを食べて、中毒を起こして倒れたとき、眼の球を押して判断するという方法がありましたね。

西先生 そのときは眼の球を両方押してみるのです。そのとき右の頬がピクピクすれば右便秘、左がピクピクすれば左便秘、両方ピクピクすれば中毒です。中毒ならば浣腸をして時間を待てば治ります。ただ、吐くときは、吐くものを思い切って吐かなかったらエンボリーを起こします。

岡田 そのため脳溢血がそのままになる場合があるのですか。

西先生 みんな脳の血管の破裂か脳出血か、この2つです。幾ら80万本100万本の毛細血管が切れておっても、頭を振っておれば治ってしまいます。私は99歳クラブに行くまでの車の中ですっかり治してしまいました。血管が切れたのを修繕しますと、後は却って丈夫になります。

岡田 骨でも折ったら、その折ったところが丈夫になりますね。

西先生 4本指を切り落として、それをまた毛管運動でもってくっつけた人がありますが、一度切り落とした指のほうの動きがよく動きます。だから血管は切っても一向に差支えがありません。それを捻れたときに注射をされるからいけないのです。

加納 静かにしておけばいいのですね。

西先生 静かにして、アルカリ性になったときには黴菌は入らないのです。だから裸になっても風邪を引かない。急激に倒れたときはそれでいいのです。ところが、みんな病気をしたら大変だというので、医者を呼んで注射をしてもらうでしょう。それで助けてもらうつもりが、却って片輪にされてしまったり、時には死んでしまうのです。

加納 今は何病にかかわらず、罹ったらすぐに注射ですね。

岡田 急激で倒れた場合、注射をしなかったらと誤解を受けるといけないから、一応医者を呼んで注射をしておけば自分の面子が立つという気持ちがあるのですね。

西先生 それは弁護のためですね。

岡田 それをしなかったら、今度は軽くて済んだからいいが、この次こそはと、見殺しにしたと思われるという難しい立場があるのです。私なら注射をした人を恨みますけれど。

小川 皆さんのご家庭ではみんな理解して西医学をやっていらっしゃるでしょうね。

西先生 私の意見としては、谿茗会の方々はぜひともご主人なり息子さんなりを、一度でいいから西の話を聞けということで、5、6人ずつ順繰りに聞かせることが一番いいと思いますね。山際さんという方がいらっしゃいますが、あの方はご自分ばかり熱心なんです。息子さんやご主人は、ちっとも理解しようとされない。ところが、ご主人が死にかかって、とうとうご主人も理解するようになった。けれどもそのときは間に合いませんでした。

前田 家族の者を一人一人先生が仰いますように連れてきて先生のお話を聞かせる方法が一番いいですね。私は以前からそれを思っていたのですが、主人が暇がないものですからお話を聞く機会がなかったのですが、一度大阪の公会堂で聞かせていただきまして、よく理解してくれるようになりました。

岡田 食事のときに、今日先生からこういう話があった、ああいう話があったということで話題を出しておりますと、いつの間にか西医学の理解を深めるようになってしまいますね。

加納 小さいときからだんだんにしていきますと楽でございますけれど、中途の子供ではなかなか……。

岡田 ですから一番いいのは、主婦が若返ってくると、これは確かによさそうだということになって信用がつくのですが、いつも風邪を引いたりしていますと、西医学をやってても風邪を引くではないかということになるのです。

小川 結局、家庭全体で実行しようということになると相当努力を要することになりますね。生野菜もあまり美味しいものでないし、六大法則をするといっても、なかなか努力を要しますからね。

岡田 せっかくやっているのに電話がかかってきたりして……。

松本 だいぶ暖かになって楽になりましたが、今までは寒くてちょっと……。(笑声)でも、こういう時候になりますといい気持ちですよ。

岡田 やはり自分が率先してやる場合には、自分が先に健康にならなければ駄目ですね。

若山 ほんとにね。

小川 六大法則をおやりになるとき、ご家庭の方もやはり心を合わせておやりになりますか。

岡田 うちではそれぞれにやっていますね。左右揺振をする者もあるし、6時ごろになってローブリーを始めているし、それから美容機にかかる、毎日生食温冷浴はするし……。ごく自然な生活になっております。

小川 六大法則を実行するには、やはり機械が普及するのがいいですね。

西先生 いいけれども、なるべく自力のほうがよろしい。

小川 ミシンの機械が家庭にあるように、健康機も1台は必ず家庭にあるというようになればいいですね。

西先生 いずれはそうなるでしょうけれども、ただ困るのは、たとえば、いよいよ医者に見捨てられたというとき、こちらに相談しないで機械を買われて、そうして死なれたときです。実は大阪でそういう例があるのです。九州のある知事などされた方ですが、その方が死なれると、奥さんのほうから、この機械は西先生が売りつけたのだから買い戻してくれと来たのです。(笑声)それは医者から駄目だと言われて慌てて約3万5千円ばかりのものを買ったのです。とうとう2万円でこちらが買い戻してやったのですが、そうすると向こうではまだ木枕が残っていると言ってきた。(笑声)

岡田 木枕までも……。

西先生 仕方がないですから、120円包んで持って行かせ、木枕は薪(たきぎ)にでもしてもらうように言いました、そうすると温冷浴の水槽もあると言っていましたが、これは死んだ主人の友達が来て勧めたのです。だから家族の理解がなかったからなかなか難しいのです。

岡田 ですから普段がいかに大事かということになりますね。

これは機械の失敗談なんですけれど、三種の真機が欲しい欲しいと思っていましてね、それでお蔭で旋転儀も徐々に揃いまして、ではこれから始めようというので一生懸命やり始めましたところ、よくなるどころか、却って疲れが出てしまった。そこへ松本さんが来られまして、「あなたいったい西先生の話を何を聞いているのですか」というわけです。ですから、私が先ほども申しましたように、西先生のお話を鵜呑みにしてはいけないのはそこなんです。

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