健康・美容・若返りの秘訣(16) 山崎佳三郎

西式入門解説講座

健康・美容・若返りの秘訣(16) 

山崎佳三郎(岡山健康学院院長)

グローミューについて

放水路とグローミュー

毛管運動と切り離すことのできないのが、グローミューの生成、再生、補強にあるとも言われます。

西先生のお話や、ご著書から、グローミューについて申し述べます。

犀川と千曲川とが、長野県の牛島(川中島が近いところにある)で、合流して1本の川となり、新潟県に入って、日本海に注いでいる大きな川、これが日本一に長い信濃川ですが、千曲川、犀川あたりの上流の森林を伐採するため、一度大雨が降りますと、たちまち河川が氾濫して、河口にある新潟市は水没してしまいます。そこで、明治10年、オランダ人ヨンハン、デレーゲなどを雇ってきまして、下流の日本海に一番接近している大河津というところから、日本海沿岸の寺泊町の間までに放水路を設けまして、氾濫したときには、そこから日本海へ放水して、新潟市を水害から救うようにしました。これが新信濃川でございます。

また東京においても、埼玉県の長瀞方面の森林を伐採するため、墨田川が氾濫して、江東方面が水没してしまいます。そこで川口および岩渕で分水して、江東方面を水害から救うことにしました。これが荒川放水路であります。また利根川は、銚子に抜けておりますが、利根川が氾濫しますと、たちまち金町方面から、千葉県の方面が、すっかり水没しますので、旧江戸川から分水して、江戸川放水路を設けて利根川の氾濫を防いでおります。また江戸川放水路と荒川放水路との間には、その辺の小さな川と分水して集めた中川放水路があります。このようにして、東京都は江戸川、中川、荒川の3本の放水路によって、初めて救われているのであります。青森県の分水路のごとき、宮城県の江合川の分水路のごときも、これがグローミューに当たるのでございます。

関西においては、ひとたび山城川、近江川の上流方面の森林を伐採しますと、すぐ淀川が氾濫しますので、新淀川放水路を設けて、大阪市を水害から救っているのであります。岡山市も昭和9年の台風のときは堤防が切れて、大水害を被りましたが、百間川ができた後は、安心しておられます。

我々人体における毛細血管は、人体における森林であります。また放水路は、グローミューに相当します。この放水路、転轍路、側路があるために、いかに多くの被害が減ぜられることでしょう。

毛細血管とグローミュー

この尊く、大切なグローミューという言葉は、フランス語で、1707年に、レアリーレアリスが発表したもので、この異名が48もあります。英語では、グローマスで、日本語では、動静脈吻合管とも申します。

毛細血管と、グローミュー、細胞、その他を図によって説明しますと、大動脈から、次々と分かれて、次第に細くなった小動脈は、毛細血管のスルース(閘門)から、各細胞の浮いている漿液の海に酸素や、栄養を放出します。各細胞は、漿液の海から栄養や、酸素を受け取って、炭酸ガスや、老廃物を漿液の海へ放出する。そしてそれがスルースから小静脈のほうへ送られるのです。

各細胞は、汚れた不純な血液の来たときは、これを拒否します。

もしも手を心臓より上にあげて毛管をしますと、手の毛細血管のところにあるルージュ氏細胞は収縮して、血液は今までのようには、毛細血管のほうへ行かなくなって、グローミューのほうへ行きます。グローミューを通って、直接に小静脈へ回った血液は、小静脈内でも酸素を持っているわけです。

小静脈内へ酸素を送るのも健康法の1つです。

砂糖とアルコール

しかし、もしもこのとき、グローミューに異常が起きておれば困ります。グローミューは、砂糖の摂り過ぎで軟化、萎縮、消失し、アルコールの摂り過ぎで、硬化、開放、変質します。

今までのように、血液が毛細血管の側を通らないときは、グローミューを通り、毛細血管の側を通るときには、グローミューは閉鎖すべきであるのに、硬化、開放、変質したり、軟化、消失、萎縮などの異常があっては困りますので、砂糖の過食や、アルコールの過飲や、連用は健康法に適しないのです。

これらグローミューの異常を早く治すのが、西医学の方法による断食法であり、再生する材料が生野菜であり、グローミューの内壁と外壁をつくるには、生野菜の葉と根の両方で5種類以上が必要なのです。

そして、温冷浴の水に入ったとき、裸療法の裸のときには、毛管運動のときと同じような状態(グローミューが働く)になりますので、西医学による断食法、生野菜食に加えて、グローミューの再生、補強を促進させるのが毛管運動、温冷浴、裸療法です。

グローミューの直径は、10ないし40ミクロンと言われております。これに対し、毛細血管の平均直径は5.5ミクロンであります。1000分の1メートルが、1ミリメートル、その1ミリメートルを1000に割ったのが1ミクロンであります。その1ミクロンを更に1000に割ったものが、1マイクロミクロンで、これが、濾過性病原体、すなわちビールスの直径であります。

手か、脚を傷つけて、細菌が入っても、その場所の毛管運動をしますと、毛細血管のほうへ、栄養が行かず、各細胞へ栄養を配給しませんから、侵入した細胞は死滅します。これくらい完全な消毒法はないでしょう。

グローミューにはいろいろな形態がありますが、陰部のは図のごとく巻いておりますので、甘党の人は早く駄目になって、精力減退をきたします。

また糖尿病になりますと、全身のグローミューが溶けて、毛細血管一本鎗となりますので、手術をした際、なかなか血が止まらなくなります。

カルシュームの欠乏とグローミュー

このグローミューは、砂糖を余計に摂り過ぎますと、消えてしまいます。病人はほとんどと言ってよいほど、カルシュームの欠乏になっています。この石灰(カルシューム)が欠乏するのには、2つの道をとります。

その1つは、我々の体内には、ひとりでにシュウ酸ができてくるのですが、そのシュウ酸が、カルシュームと結び付いてシュウ酸石灰(しゅうさんカルシューム)をつくります。

いま1つが白砂糖の摂り過ぎということです。「白糖は灰盗なり」とは、有名なドイツのブラウフレ博士の言葉であります。白砂糖は、カルシュームの泥棒である。お汁粉を食べれば、その中に白砂糖が入っています。羊羹のマッチ小箱大のものを食べた後、4時間ないし7時間以内に、柿茶か生水を1合くらい飲まないといけません。

1本の神経の管から出た神経は、動物性神経(脳脊髄神経)と、植物性神経(自律神経)との2つに分かれ、毛細血管には、75%の動物性神経と、25%の自律神経とが繋がり、グローミューには、植物性細胞、すなわち自律神経が75%、そうして、動物性神経が25%という割合で、繋がっています。

もちろん、これは健康者の話です。病気になりますと、症状に応じて変化します。

潜在意識と現在意識

潜在意識と現在意識を氷山にたとえますと、氷山に出ている部分が、現在意識で、水中に没している大きい部分が潜在意識に当たります。自律神経は潜在意識に匹敵し、動物性神経は現在意識に匹敵いたします。ですから、潜在意識の大部分はグローミューにあるわけです。

フロイドの潜在意識はグローミューの考えないものであり、西医学はグローミューを握った潜在意識であります。

毛管運動のとき、温冷浴の水中にいるとき、裸療法の裸のときは、グローミューの側を血液が流れて、潜在意識がよく働きますから、良くなる、能くなる、善くなる、と思うことが特に大切です。

暗示療法が効く理由

夜に就寝するということは、現在意識が休んで潜在意識のみということで、このときに暗示をかければ効くわけです。

火傷したときや、皮膚病のときに暗示療法が効くというのは、毛細血管が故障しているところへ、暗示をかけますから、グローミューがよく働いて、早くよくなるのです。

就寝前の自己暗示や、嚮導無想法は大切なことです。

特に砂糖や、アルコール類の少ない西医学の生活者には効果があります。

まず、グローミューをつくっての暗示法を、心がけたいものです。

赤ん坊のグローミュー

赤ん坊は、生まれてから、2、3ヶ月は、自分で、ビタミンCをつくっております。ところが、その間は赤ん坊には、グローミューはないのです。そして生後、2、3ヶ月して、グローミューができてくると、自家製のビタミンCはなくなるのです。

動物はみな、ビタミンCの自家製をやっております。

土人の赤ん坊は2ヶ月くらいで、自家製はなくなります。それは初めから、グローミューが存在しているからです。

文化人は、母親が必ずしも、煮たものばかりは食べませんし、多少は生のものも食べるという関係から、そういう乳を飲んでいるので、2ヶ月とか3ヶ月くらいは、自分でビタミンCを生成しております。したがって赤ん坊は、2ヶ月くらいしか、ビタミンCを自分でつくっていないという学者もありますが、それは人種と生活によって違ってくるのであります。ですから2ヶ月から3ヶ月の間を往来していると、お考えになればよろしい。それから赤ん坊は、グローミューがありませんから、温冷浴は湯から入れて差し支えありません。

産湯とは言いますが、産水とは言いません。ですから赤ん坊は、お湯で洗ってもよいのです。

グローミューと塩

こうしてできたグローミューは、生活によって、次第に作用が鈍磨するか、硬化、変質、開放または消失します。人間の文化生活における健康とは疾病とは、アルコールか砂糖かの2つの群れにわかつことができます。この2つの物質は、体内において、水と食塩によって調節し、相互に転換されております。その調節は1つに水と塩との相互の関係によるものです。

身体の調子は、要するに塩加減であります。この食塩と水とを調節するものは、ホルモンであり、酵素であり、またビタミンであります。これらの調和が正常に保たれるときが、健康であり、一者であります。

人体の生活細胞は、塩漬けによって健康ですが、発汗によって水分塩分ビタミンCを逃し、直ちにこれを補給せず、菓子や、アルコールを摂ったときは、アルコール漬けの細胞による体、または砂糖漬けの体となって、当然グローミューを軟化、変質、硬化、開放、消失へと導くようになります。といって塩分過多のときは腎臓、その他が冒されるので、発汗後は塩分を補給し、2、3週間に1度の塩無しデーをつくることも、グローミュー保存に必要です。

図の第1群のアルコールの過剰は、動脈硬化をきたすから、これを動脈硬化型と言います。第2群の砂糖の過剰は、糖尿病となりますから、糖尿病型であります。

動脈硬化は、グローミューを硬化し、変質し、開放します。それがなお進むと、脳溢血を起こします。糖尿病は、グローミューを消失し、軟化、萎縮させ、ついに昏睡状態に陥らしめます。

またアルコールと砂糖との双方が過剰となりますと、つまり菓子を食べ、酒を飲む、宮本武蔵のように、二本刀を使う人は中風にかかります。

グローミュー保存は長生法

前に申し述べましたように、グローミューは、生まれて2、3ヶ月はなくて、それからでき始めて、だいたい21歳で完成し、それから40歳までは、その完成した状態のままでありますが、40歳から次第に減少して、順調に行きますと、だいたい100歳くらいの寿命が得られます。しかし一般には、不合理な生活をするために、40歳から急激に老衰し始めて、5、60歳までが多く、70歳は「古来稀なり」ということになります。ただしこれは一般の話で、西医学では、赤ん坊が生まれると、最初からグローミューをつくってゆくのであります。

それはなぜかと申しますと、赤ん坊が生まれますと、まず1時間40分は、室内温度摂氏10度(華氏50度)以上の裸のままで置き、それから赤ん坊用の温度による温冷浴をいたします。ですから、西医学の出産法では初めから、グローミューができるのです。そして以後西医学生活によりまして、だんだん増え、普通であれば、40歳ごろからだんだん少なくなってゆきますが、欲張って反対に増やしてゆくのです。

西医学生活による人寿120歳説

西医学の健康原理は、これを実行することによりまして、一層高い人生を完成し、それほどでなくても40歳の完成した状態をそのまま維持し、なるべくなら、一層発達させて、その健康な状態を120歳まで延長しようとするものであります。

第7図をご覧ください。横線のOXは寿命の長さを表します。縦線のOYはグローミューの発達の度合を表します。Oを生まれた点としますと、生まれて2、3ヶ月はグローミューはないが、その後次第に発達して、約21歳を表すEにおいては最高点に達し、40歳である、F点にそのまま行きます。この40歳点から次第に老衰して消滅して行きまして、21歳の約5倍(動物は成長の約5倍生きるという説があります)すなわち100歳まで生きるはずであります。しかし、生来の虚弱者か、またはその生活に大きな過ちがありますと、A点である45歳か、B点である50歳のところで消滅します。こんな人は、恐らくeまたはfのようにまだ40歳に達しない30代から、老衰し始めて行くのでしょう。また100歳にも達するような長命者は、その摂生の仕方次第でFNLのような曲線を画くかも知れません。

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