初めて西式を実行する人に(2) 石井孝始

西式入門解説講座

初めて西式を実行する人に(2) 

石井孝始(本部並びに司教会常任委員)

四大原則

さて、朝食廃止と水を飲むことに加えて、温冷浴法を実行しながら、次の六大法則の準備をしていただくことになります。

すでにお気づきのことと存じますが、西式健康法は、今までのお考え、すなわち、いわゆる常識というものからは相当かけ離れておりますから、これから申し上げますことも、とりあえずそのまま実行していただきたいと存じます。そのために、もう少し西式健康法の基礎になっております健康の四大原則について、お話することにいたしましょう。

第1に私共が母体からこの世の中に出まして、最初に外界に接するものは皮膚であります。そしてまた皮膚は、生体と外界との境界面でもありますし、生体を外界から保護する役目をも持っております。しかしながら、皮膚は生体を包んでおりますだけでなく、実は生体と外界との連絡機関でもあります。

皮膚は体内の新陳代謝から生じます水分を常時発散しまして体温を調節しております。そして特に暑いときは汗を出し、寒いときは鳥肌をつくったりしまして、体温を調節いたします。この点より見ますと、皮膚は腎臓の働きをしていることになります。

また皮膚は呼吸作用と吸収作用を持っております。皮膚を塗料などで塗り潰しまして、その呼吸作用を止めてしまいますと悶死いたします。この点より見ますと、皮膚は肺の働きをしていることにもなります。

皮膚の吸収作用を利用したものに菖蒲湯や柚子湯があります。共にそれらの含有しておりますビタミンCを、皮膚から吸収させるわけであります。

第2が栄養であります。今日栄養といえば有機物としましてタンパク質、脂質、糖質があげられまして、これを栄養の三大素と言っております。

また無機物としまして、カルシウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、鉄、ヨウ素など、いわゆるミネラルであります。なお、少量ながら絶対に忘れてはならないものに、ビタミンがあります。

ことに大切なのが生水と空気と日光でありますが、あまりに身近にあるので忘れがちになります。

とにかく、食物は消化吸収が大切でありますから、食べすぎぬことが最も肝腎であります。昔から、腹八分目に医者いらずという諺がありますが、これは古今東西、どこにも通じますところの健康生活の金言であります。

第3が足であります。人間が四足動物から二足の直立歩行に進化しまして、頭が最高部に位することになりましたので、四足動物には全く見られないほどの頭脳の持ち主になりました。また直立歩行によりまして、両手が自由に使用できるようになりまして、社会生活を進歩させる結果になりました。しかしながら一方では、直立歩行によりまして体重は2本の足にかかりますし、また梁として設計されました背骨が柱として使用されることになりましたので、この足と背骨の無理から人間を病の器と呼ばれるようにしたものです。

最後に申し上げたいのが信心であります。昔から鰯の頭も信心からと言われておりますが、どんなものでも信仰していますと、それが信者の心に不思議な力を与えることになるのです。

六大法則の準備

以上の健康の四大原則を基礎といたしまして、保健の六大法則が生まれてきたわけであります。これは前にも申し上げました通り、実行第一でありまして、口先だけの健康法では、何ら役には立たないものです。

まず六大法則の項目を申し上げて、逐次その実行方法を解説することにいたしましょう。

1、平床寝台

2、硬枕利用

3、金魚運動

4、毛管運動

5、合掌合蹠

6、背腹運動

平床を用意していただくのですが、一番手頃なものは、ベニヤ板の薄いもので結構ですから1枚買ってきてください。

そして角々を少し丸く落としましてハトロンか布かで周囲を縁取りしてください。周囲を鉋かけしたのでもまだ取り扱うときに手などを痛めると困りますから、よく周囲を張り付けておくわけです。西会本部の販売部には厚いベニヤ製の平床がありますから、それをお買い求めくださいましたほうが面倒でなくてよろしいと存じます。それはよく仕上げてありますから、周囲を張り付ける必要もなくすぐに使用できます。

まず、その平床が用意できましたら、その上に仰向けになって寝るわけです。しかしながら次の枕がありません。2番目の硬枕というのが読んで字のごとくでありまして、硬い枕すなわち木の枕か、陶製の枕であります。その硬い枕を首のところに当てまして、平床に寝るわけであります。枕の大きさは使用する方、すなわちあなたの薬指の長さを半径とする丸太をその半径の4倍の長さに切りまして、縦に2つ割りにしたものであります。これももちろん、桐材製の上等の硬枕が販売部にありますから、おつくりになる必要はありません。

さあ、平床と硬枕が揃いましたから順を追ってご説明いたしましょう。

1、平床

次ページの図のように敷布団の代わりに只今申し上げました硬くて平らなベニヤ板、すなわち平床にやすむわけです。身体を一直線上にして仰臥するのです。どうも見た目にはいかにも痛そうな気がするかも知れませんが、これも長い間、敷布団を何枚も重ねて、おやすみになってきたことでしょうから、やむを得ないことと存じます。

そこで今度もまた、西式の漸進的なやり方をとりまして、今までは敷布団を3枚も重ねておいでの方はまず1枚減らして2枚にしてください。2枚に慣れましたら1枚にしてください。その1枚になれましたら、今度は平床の上に毛布を2枚くらい敷いておやすみください。さらに慣れましたら、毛布を1枚にして、またそれに慣れましたら今度は敷布1枚くらいにしてください。もうそのまま敷布1枚を続けてもよいのですが、私共では、敷布なしで、平床の上にじかに寝ております。

もちろん、裸でおやすみになるのですよ。そうしますと、おやすみになっている間に、脊柱の副脱臼と言いまして、その狂いを調整することができますから、脊椎から出ております神経や血管などの圧迫がとれまして、血液の循環が正常になります。そこでまた皮膚の活動が促進されますから、肝臓、腎臓などの機能が活発になります。

平床についていつも思い出す話があります。私の豊島支部の例会を都内の某銀行支店階上の広間をお借りしてやったことがあります。その準備をしておりましたら、そこの守衛さんが「今晩のお集りはどんなお話ですか」と聞かれましたから、西式健康法の例会ですといろいろお話いたしまして、平床の話になりましたところが、「それでわかりました。実は私共ここに宿直するのですが、今、流行のマットレスという奴をわざわざ請求しまして買っていただいたのですが、どうも、それからというもの、ここに宿直すると翌朝、身体の具合が悪くて仕様がないのです。今までの薄い布団のときはそんなことがなかったのですが、やっぱり、マットレスのようなものは、見かけだけで、実際は身体に悪いわけですね」と言うわけです。

あなたも、今晩から、すぐに平床に寝てみてください。案ずるよりもいと易いかもしれませんよ。ただ。一晩中仰臥の姿勢でおるつもりでも、夜中には動きますから、その都度また仰臥の姿勢に努力してください。

2、硬枕

先ほどの硬枕の丸い山の部分が後頭部と肩との間、すなわち頸部に当たるように平床の上に置きます。だいたい頸椎4番が中心になるわけです。これも最初は痛いでしょうから、タオルなどを折って当ててください。そして、次第に慣れてきましたら、次第にタオルの折り込んだ枚数を減らしてください。

なお、別法としまして、今までお使いの枕を傍らに置きまして、まず硬枕をいたしまして、少し頭が痛くなってきましたら、普通の枕に取り換えておやすみになるのです。そして、次第に硬い枕に長く慣れてゆくのもよいと存じます。

要は前の平床にしろ、この硬枕にしろ、1日も早く慣れるということですね。

硬枕は頸椎の副脱臼や凝りを調整いたしますので、頸部の故障を予防してくれます。

そうしますと、1の平床と相まって、姿勢が正しくなりますから、顔の相までも整ってきます。これは根本的な心身の健康法ではありませんが、是非とも実行してみてください。

3、金魚運動

さあ、今度はいよいよ金魚運動をやっていただくことになりますね。今までの平床に硬枕をあてて仰臥しましたのは、大体において、夜のおやすみのときですし、じっとしているのでしたから、割合わかりやすかったことと存じますが、今度の金魚運動は、申し上げるまでもなく、運動をするわけですから、くどいようですがよく説明をお聞きくださいまして、繰り返し練習していただきたいと存じます。

さて、先ほども、お話しいたしましたが、私共は、おやすみになっている間に、平床に仰臥することによりまして、脊柱の前後の副脱臼を矯正できますし、また硬枕を頸部にあてることによりまして、頸椎の弯曲を生理的状態に確保できるということになりますが、今度は金魚運動と申します運動によりまして、脊柱の左右の副脱臼を矯正しようというわけです。

すなわち、脊柱の前後左右の副脱臼が矯正されますと、脊髄神経の派出孔

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